dynabook T451/58EB PT45158EBFB BCDエラーで起動しない

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ブルースクリーンのまま起動しなくなった、というご相談。始めは黒い画面で点々がグルグル回るだけだったそうですが、お客様のほうでなんとかしようとして、あれこれ頑張られちゃったそうです。毎晩遅くまでやったと言ってたかな?そして結局はブルーの画面になったと。なるほど。気持ちは痛いほどわかります。当店は余計なことしやがって!などと思いません。すべてを受け入れるタイプ。あーやっちゃうよねぇ~みたいな。きっと自分でもそうするから。それをひっくるめてのブート修復死闘編。ひさびさの取って出しです。記憶が鮮明なうちにね!

状況確認

さてさて、はやる気持ちを抑えてまずはACアダプタのコーナー。今回から型番と出力をそれぞれ記載しようかな。写真が表示されなくなったときのために。

PA3715U-1ACA 19V=3.95A

それにしてもこの機種はよく売れたのでしょうね。T451はほんとよく見ますよ。

で、お持ちいただいたときがこれ。

お客様の口からMBRとかRebuildBCDが出てましたから、相当ネットを漁って頑張られちゃったのでしょうね。こうなる前は、急激に動きが遅くなったそうで。うんうん、そうでしょそうでしょ。てな具合で、このときはまだ私にも余裕がありました。キレイに回転してフィニッシュまで決められるイメージが出来あがっていたから。そう、あのフィギアスケートのスター選手のように。

ハードディスクの修復と複製

そんな拍手喝采のぷーさんの嵐を想像しながら、まずは目星が付くハードディスク(以下HDD)から。検査も兼ねて。

ですよねー。とイメージどおり。HDDがダメになったから、その上に乗っかってるブート情報もダメになった、と。うんうん。いいよいいよ。

修復後は正常なHDDにクローンコピー。これでHDDは元気になったという前提です。

ブート修復あれこれ

こっからですよ本番は。HDDを入れ替えてスイッチオン。気になるブート情報は、構成のデータストアを開けませんでした。指定されたファイルが見つかりません。

そうですか。データは大丈夫だよね?といわゆるCドライブってやつを見ようとすると、中が見られない。なんでよ?って思ったらCドライブがRAW状態。

ふーん、そうですか。じゃあ、まあチェックディスクしますよね、RAWディスクには。こんなときのために750GBのHDD総出で複製コピーしてるしね。お気軽チェック気分で。

簡易バージョンなんでサクッと完走。今度はCドライブが見える。中身も問題ないっすね。よしよし。

あとはブート情報を作り直して~ってとこで、なんとなくスタートアップ修復でやってくれそうな気がしたのでまかせてみることに。

修復していますのあとで自動再起動。たちあがったところで、本当にブート情報が直っているか見てみることに。普段はこんなの思わないのにね。好奇心が溢れちゃったんだな。

おお。さっきまではなかった続行項目がある。てことはブートを読み取ってるってことか。スタートアップ修復やるじゃん、と見直す。念のため中身も確認しときましょうか。

いいんでないの。ここでなんとなくCドライブの中身が気になったのですよね。なんでだろうなあ。虫の知らせ?

そしたら、このボリュームは認識可能なファイルシステムではありませんって。あれー!?またRAW状態になってんの??

どういうことなんだよ・・・と思いつつも、まあチェックディスクすりゃいいか、と腑に落ちないまま実施。

またしても簡易バージョンでサクッと完了。壊れていますって?前はこのメッセージあったっけ?と気になりつつも、Cドライブの中身のほうが気になる私。

ホッとひと安心。これで大丈夫でしょ。

動作確認

気持ちを新たに再起動。するといつものグルグルが始まる。やれやれですよ。

しばらく眺めると鮮やかな画面が登場。ようやく黒と青の世界からおさらばじゃい。

あとはWindowsを修復して、一緒に預かったSSDに変えるだけ。

SFCもDISMも失敗ですか。こうなると地味な手動修復しかないんだよね。ってことでお気楽モードで再起動。

あれ?なんかグルグルしてくんないんすけど・・・。

あれよあれよと自動修復~診断中~起動できませんでしたの定番コース。マジっすか。。。

無間地獄

始めは何が起きているかさっぱりだったのが

修復しては元に戻るを繰り返すうちに

だんだんと状況がつかめてきた私が出した結論は

そう、これは仏教でいうところの無間地獄

おまえおかしくなった?と言われても不思議じゃないくらい、この作業を繰り返して分かったことは、このパソコンのRAW化したHDDをチェックディスクでいくら修復しても、次の再起動では元のRAW状態に戻ってしまうこと。そして、たとえ万が一にも奇跡的にWindowsがたちあがったとしても、次の再起動では確実に元のRAW状態に戻ってしまうということ。

初っ端に奇跡が起こっちゃったもんだから、この事実にたどり着くのに時間がかかったのよね。ほんと運が良いのやら悪いのやら。

もうちょい詳しく書くと、RAW状態を解除するためチェックディスク、これはよし。その次のブート構成、これもよし。そのあとにブートセクタを修復してやらないといけなかったのに、ここで修復がうまくいかず。fixbootやらbcdbootのことね。bootsectも。このへんが全滅で、Windowsの自動修復にまかせると、稀に修復ができちゃうというミラクルイベントが発生。しかし、結局は完璧に修復できていないから、次の起動時にはブートセクタをうまく読めずまたRAW状態へ逆戻り。無間地獄の完成っつーわけ。

急に何を言ってんの?難しいこと言いやがって状態ですが、これは自分で直そうとしている人向け情報なのでそのへんは汲み取ってくださいな。写真が多すぎてコメント付けるのも多すぎで、ちょっと頭がのぼせてきたぞ。。。

ここまでクローンHDD4台で繰り返し検証。使ってる間も休まずクローンコピー。ブート関連は一発勝負なので致し方なし。チェックディスクもブート修復ももちろん複数オプションで実施済み。それでもブートセクタの修復には至らず。絶体絶命。

あぁ疲れてきた。脳みそも絶体絶命。。。

気分転換

お預かりして6日間。繰り返し検証にも嫌気と行き詰りを感じ、なんとなく作業用パソコンにHDDをつないでみる。

RAWだもんね。コンピュータはしっかりしてるわ。そのままの流れでなんとなくチェックディスク。もうこの間だけが安らぎの時間ですよ。頭を働かせなくて済むっていうね。。。

最初のNTFSブートセクターが読み取れないか、壊れています。うん。これもそのまんま。このせいで修復できないのも分かってる。ちなみに実行結果はしっかりと不良セクタが修復される。でもブートセクタ自体は修復できていない。ちなみにこのままHDDをT451に戻しても何も起こらない。相変わらずRAWに戻るだけ。

分かってることをこの目で改めて確認。するんかーい!ってか(笑)

あーあ・・・笑えない。さあ、そろそろお客様にリカバリのご提案をしないといけませんね。修理屋にとってリカバリは敗北を意味してしまいますが、いつまでも時間をかけるわけにはいかないのです。1回目の自動修復で奇跡的にブートセクタが修復されてしまった?せいで、こんなにも時間を消費してしまったのだよ!なんてこったい!!

そんなことを思いつつ、さらにT451から取り出したHDDをまた作業用PCにつないだらどうなんだろ?なんてことを好奇心でやってしまうクソ坊主でしたが、ここでふとTestDiskのことを思い出す。てか作業用PCには全部TestDiskが入ってるので、目に付いたというのが正しい言い方か。

そういやブートセクタ修復にも使えるんだったよね?と。USBメモリとSDカードでたまに使うだけで、HDDに使ったことはほぼなし。だからすぐにTestDiskだ!ともならなかったわけで。なので、本当になんとなく。今思うと、これが神様のいたずらってやつだったのね。

ブートセクタ修復作業

ほぼリカバリが決定してるのもあってお気軽テストディスクです。

あまり選ぶことのないAdvanced。

RAWであろうパーティションを選ぶとBoot項目が出てくる。

お?BadとOKじゃん。つーことは・・・?

とりあえず進められるだけ進めてみる。

あらま。ダブルOKになっちゃった。

作業用PCを再起動すると、さっきまでRAWだったHDDが初っ端から読み取れてるじゃないの。マジっすか。。。

念のためチェックディスクをかけてみる。

最初のブートセクターがダメやねん!が出てこない。

あれよあれよと進みチェックディスク完走。

これはもしかすると・・・。いや、変な期待はやめるんだ。と坊主の中で鬼と悪魔が大喧嘩。どっちもワルやん。。。

Windowsの帰還

まあいいや。期待値が上がってる分、やりなれてる交換作業でしたがこの1回は特別でした。もうすでに10回20回はやってるのに。

すぐに起動させる勇気はなく。ディスク起動でRAW状態になっていないか、確認してみる。

わお!中身がちゃんと見れるぞい!!

安心してそのまま起動。ジャジャーンとWindowsが大復活。すぐさま再起動したね。そしたらちゃんとWindowsがたちあがってきてね、うぉおおおおおお!!と叫んじゃったよ。当たり前のことに。そんくらいの感動。無間地獄が終わるとここまで精神が解き放たれるのね。コロナ自粛明けの人の感覚も、もしやこれに近いのか?

Windowsの修復

はぁ・・・本当にもうしんどいぞ。。お疲れMAXや。ここからはもう再起動も怖くないから、Windowsを正常に戻していく作業。

奇跡の1回目同様、SFCもDISMもダメ。そのせいでWindowsUpdateはできず、大型アップデートももちろんダメ。

これの解決法は地道に手作業でファイルをコピーしていくのみ。CBSログからダメになってるファイルやフォルダを調べる。

ちゃんと動いてるパソコンからお目当てのファイルやフォルダをコピーしてUSBなりで持ってくる。

上書きできないのもあるので、そんなときはディスクブートなりUSBブートなりでがっつりと上書きする。

ひとつずつエラーを潰していくとSFCも完走できるようになり。

Windowsの更新もできるようになる、と。

SSD化作業

やっとこさ仕上げだ。お客様にお持ちいただいたSSDにデータをまるごとコピーします。

ここまで長かったな・・・。

最終確認

もうスイッチ入れるのにドキドキもワクワクもないよ。

ポチっとな。だよ。

長い長い作業記事もようやく終わり。やったことをまとめると、ディスク修復とブート修復とWindowsのシステム修復とSSD化。その結果の、初期化なしのデータそのまんま修理。HDDが壊れてたにも関わらず。ちょっと安すぎたな、と反省。奇跡の1回目で見積連絡してますからね。あとの大変さをまったく考慮してませんでした。再起動してたちあがらなかったときは血の気が引いたよね。ちびまる子ちゃんの気持ちが分かった気がする。

まあそんなの自分がお客様の立場なら、知らねぇーよ!って言ってやりますが。そりゃそうだ。

ご利用ありがとうございました。