LAVIE Note Standard NS350/H PC-NS350HAW-E3 電源は入るが起動しない Secure Boot Violation

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パソコンがいつもの画面にならなくなった。遅いパソコンだし使う頻度も少ないからあまりお金を掛けたくないんだけど、それでも直るならまだ使っていきたい、というご相談。以前も当店をご利用いただいたそうです。ありがとうございます。ほんとリピーターの方で辛うじて持ってるお店ですよ、ウチは。

しんみりしてないでササっといっちゃいましょう。お持ちいただいたのはNECのノートパソコンNS350/H。SSHDに4GBメモリで当時はこれでもよかったんでしょうけどもね、今ならどうしてこうなった?と問い詰められそうな仕様です。一緒にお預かりしたACアダプタは四角いコネクタが定番のこちら。

NS350/H(PC-NS350HAW-E3)のACアダプタ

型番はPC-VP-BP98で出力は20V=2.25Aの45W。型番はどうしてそっちなんだと言われそうですが、まあなんとなくというか。風習みたいなもんです。ADP003だったりA13-045N1AでもOKだとは思います。

直感で電源は入れていいと思ったので、とりあえずスイッチオン。

NS350/H(PC-NS350HAW-E3)のブルースクリーンエラー

青い画面で0xc0000428。こんなエラーコードあるんすね。ってくらい馴染みのない数字。でもこれ実はお客さんがいじった上でのエラー画面で、ネットで調べるとセキュアブートを無効にしろとあったそうです。自分が知らないもんですから、へぇへぇと反応。知ったかぶりはよくないもんね。

ということは、お客さんがいじる前のエラー画面を見ておきたい場合はセキュアブートを有効をしてやればいいわけで。F2でBIOSからセキュアブートをEnableにしてやったのがこちら。

NS350/H(PC-NS350HAW-E3)のセキュアブートの署名エラー

お初でしょうね。でも最近自分の記憶に自信がないから、もしかしたら1回くらいあるのかもしれない。けども、感覚的にはお初。ここまでで症状の確認は終了。

さて、こっからはどういう手順でやるかですが、ざっと紹介しちゃいます。修理屋らしい手順なのでセーフティをかなり意識してますけども。なので掻い摘んで参考にしていってください。まずは今の状態をコピー(クローン=複製)します。

NS350/H(PC-NS350HAW-E3)のクローン作成

元ハードディスクは写真のとおりSSHDです。クローン先は普通のHDDでOK。もちろんSSHDでもいいですしSSDでもなんでもいいです。でもその場合は容量に気を付けてください。

コピーさせとってしまえばあとは好き勝手できます。たとえ失敗したところでお客様にご迷惑は掛かりません。これをやらずして失敗をリカバリーできなくなって初期化しか手はありませんとか抜かす修理屋は早々に引退したほうがいいですね。犠牲者を増やしたくないので。なんでもかんでもリカバリはダメっすよ。最終的にリカバリなら分かりますけども。

そういう当店もリカバリはやるときはやるんです。リカバリとか言い出したら敗北の証だと思ってください。話が逸れたので元に戻すと、セキュアブートの署名がおかしいと言っているみたいなので、そこを改善してやりましょうよということです。機械的におかしいんじゃなくて、ハードディスクの中のデータがおかしいって話。コップは割れてなくて、中の水が濁っただけって話ですかね、言い換えれば。伝わるかな?

NS350/H(PC-NS350HAW-E3)でのUSBブート

その濁った水をキレイにしてやるためにちょこっとハッカーごっこみたいなのをやっちゃいましょうよって流れです。文字ばっか並んでる画面で、アルファベットなんかを華麗に打っちゃって気持ちはなんとなくハッカー、みたいな。勝手に命名しましたが。まあそんな感じです。以下。

Windows10が入ったUSBメモリをパソコンに挿して作業スタート。あっそうそう、このWindows入りのUSBメモリは修理屋七つ道具のひとつに挙げてもいいくらいですね。

NS350/H(PC-NS350HAW-E3)のスタートアップ修復

定番のスタートアップ修復は安定の失敗。念のため2回3回と繰り返しますが修復はされず。期待値はまったくないので気持ちはノーダメージです。次いきましょう。

NS350/H(PC-NS350HAW-E3)のUEFI修復作業1

本命のUEFI修復へ。ここの肝はFAT32を探してそこに名前を付けてやることなんですね。上の写真ではBドライブとしてやってます。

NS350/H(PC-NS350HAW-E3)のUEFI修復作業2

あとはbcdbootコマンドで修復の実施。上の写真のとおりやってもらってもいいですし、bcdbootコマンドをネット検索した結果のとおりやってもらってもいいですし。cd?まあ無視してくださいや。お恥ずかしい。

再起動すると、おぉ~!

NS350/H(PC-NS350HAW-E3)の起動画面

クルクルまわってるじゃ、あ~りませんか。これにて終了なんですが、どうして今回こんなことになったのかを少し考えないといけません。お客様の話ではずっと動きは遅かったと。そりゃメモリ4GBですからね、いくらSSHDで起動はそこそこ早いっていっても起動後の動作はずいぶんとねっとりしていたはずです。

つーことはですよ、シャットダウンやら月イチのWindowsUpdateもやたら時間が掛かっていたわけで。そこを少しでも改善すると、同じ症状が起こることを予防できるんじゃないかと思ったわけです。

NS350/H(PC-NS350HAW-E3)のメモリ交換作業

それがメモリの増設につながるんですねえ。本当は1枚追加で2枚にしたかったんですが、訳あって8GBとの交換。まあ良しとしましょうよ。ちなみに元メモリはSAMSUNG製 1Rx8 PC4-2133Pでした。交換後はCFDのPC4-19200です。このあたりは全然シビアじゃないので大体のメモリが動くと思います。あくまで個人の感想ですが。

作業完了後のNS350/H(PC-NS350HAW-E3)

本当ならSSHDをSSDにしたら完璧なのは分かってるんですけどね、そこまでのことは費用的にもお客様は望んでいないと。コストとリターンの関係ですよ。最近は自分のサービスが価格に見合っているか、じっくりと考えるようになってきました。昔は低価格路線で突っ走っていたので、安いからいいじゃんみたいな甘えがどっかであったのは確かなんです。それが今ではプロフェッショナルな仕事を目指しているので安いだけではいけないなぁと。バランス感覚とでもいいますか。すんません、ひとり語り。

まあ結果的にお客様の許容範囲に収まったようでオーライってことですね。よかったよかった。