パソコンにコーヒーをこぼしてしまった。ドライヤーで乾かして少しの間は使えていたが、しばらくしてキーが反応しなくなった。そしてパソコンがダメになった。
ということでお持ちいただきました。
私が初期設定から診させてもらってるパソコンなんですよね、こちら。それがとうとう水没修理までいっちゃいましたか・・・。途中、データが消えたやらMicrosoftアカウントがなんやらでちょいちょい触ってはいましたから、なんとも他人事ではなくなってて、まるで近所の子が川で溺れちゃったような、そんな感じなんですよ。だからいつも以上に助けてあげたい!
さて、お預かりしたのは富士通のLIFEBOOKシリーズAH42/Kです。
分解作業
いつもの状況確認なんてものはすっ飛ばして、分解から。こぼした系の修理はスイッチには一切触りません。おさわり厳禁なんです。
裏面のネジを粗方外したら表に返ってキーボードを取り外しに掛かりますが、ここがちょこっと分かりづらい。
キーボード手前をさらに手前側にずらすんですけどもね、このへんはいくらでも検索で出てくるので、詳しいことはそっちにまかせます。ポイントは浮かせて引くかな。
茶色の水たまりがコーヒー。外観はパッと見乾いていたとしても内部は全然ですからね。1日2日で乾くわけないでしょって話。
もちろんキーボード裏にもコーヒーがたっぷり。
キーボード自体はもうダメでしょうね、これじゃ。。。
そして肝心のマザーボードはというと・・・おっ?
キレイじゃん。遠目には(笑)
でもやっぱ寄ってみるとね、浸水の跡が見て取れるんだよなあ。あーもう!やっちまったなあ!!
洗浄作業
マザーボードにはガッツリとコーヒーの残党が暴れまわっておりましたので
無水エタノールを使った掃討作戦を実行します。
ベットベトになってるコーヒーなんかは、綿棒で擦ってもちっとも取れてくれないので、ヒートガンで熱風を当てながら根気よく作業します。
そこそこキレイになって、パッと見コーヒーが確認できないくらいにはなったところで、しばらく放置んぐ。
その後、電源が入るようになったかを確認するため、恐る恐るスイッチオンしてみると、ぽぴっと電源が入って見事Windowsさんがコンニチハ。よしよし、これで終わりが見えてきたぞ。
キーボード交換作業
お次はキーボードじゃい!
取り外したキーボードの型番から同型のものを取り寄せてみると、あれま?枠がないじゃないの。新しめのパソコンは、キーボードが分離式になってんですか?
キーボード交換がたまにしかない当店にはちょっとした浦島状態ですけども。枠にハメ込む前に念のため動作確認。
ちゃんと打てれば、仕上げの枠ハメ。
キーボードがうまく沈んでくれないときは、枠側にくっついてるコレを
除去してやればうまくいくはず。たぶん。
DISMでエラー0x800F09060
すべての作業が終わったところで最終動作確認。しかしそこでさらなる悲劇が。
Windows8が起動してキーボード入力も問題なし。
それなのに、これは一体どうしたことか!?
デスクトップ画面では一見何も問題なく見えるのに、タイル画面になるとフツーじゃないことに気付く。
お客様がどうもなにやら動きがおかしいと言っていたのは、このことだったんだなあ。
DISMでもSFCでもシステムの復元でもWindows8の上書きインストールでも一向に直らないので、意を決して最終兵器、そうWindows10へのアップグレードをぶっ放すと
あっさり解決しちゃった。
今回のご依頼での一番の収穫はもしかしたらこれかも(笑)
ご利用ありがとうございました。