BUFFALO HD-CS320U2 通電するもドライブとして認識しない

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今回は良い題材のデータ復旧依頼がありましたので、それを参考事例としてプロ養成向けの記事を書いていこうと思います。外付けハードディスクはよくあるバッファロー。しかも古い。玉としてはまだまだ今後も続々と壊れていくであろう機種です。さあいってみましょう。

前提

というかお約束です。データ復旧作業はお客様からお預かりした復旧元(オリジナル)に対しては、最小限の作業しかしません。なので基本クローン前提です。オリジナルから完コピ(不完全でも)したものに対して作業を実施していくのです。オリジナルに対して復元ソフトや修復コマンドを使っちゃうような業者は下の下と思ってください。というか害悪でしかない。ろくでなしブルースです。

分解作業

いきなり毒を吐いたところで、いきなりバラしから。いきなりステーキもう死んだんすかねぇ。1回は行っておくべきだったかな。まあいいや。無駄話すんません。

ネジ2本でケースを取っ払って、残りネジ4本でハードディスク(以下HDD)を取り外します。

この手の古い外付けでよくありがちなのが、HDDは無問題で外側のケース基板がダメになっている場合。

もしそうなら話は簡単なのですが、今回はまったくもってケース基板は異常ナシ。まあちょっとコンデンサが若干膨らんでますけどね。この程度は全然許容範囲です。

クローン作業

するってーと、データ復旧作業の基本のキ、クローン作業に入っていきましょう。今回は端からハードウェアクローンという頭です。理由はHDDの通電回数を極力減らしたかったから。あとエラースキップに関してはデュプリケーター(ハードウェアクローンマシンの呼称)のほうが優秀かなぁという感覚があったので。いくら不良セクタがあろうとスキップしまくりでガンガンいってしまおうという考えです。

しかし、目論見がハズレて10日経っても進捗は3パーセント。さすがにこれでは歩みが遅すぎるので、一旦ここでストップすることに。お客様のゆっくりやってに甘えすぎてしまいました。さすがにこれでは年単位掛かってしまう。というか他の作業に影響大すぎる。

大抵はエラースキップ機能があるデュプリケーターはガシガシ突き進んでいつかはエラーの沼を通り抜けてスピードが上がるものですが、稀にこういうことがあるんです。エラーに対して相性の良し悪しがあるんですかねぇ。ほんと謎っす。

そういう場合は頭を切り替えて。そう、頭からやってダメならケツからやればいいじゃないと。ケツからクローンってどうやんねん、と。こうやります。テキトーなパソコンにHDDを2台つなげるだけ。しかも出来る限り内蔵で。マニアを思わせる雰囲気ですが、そこは致し方ないと諦めましょう。

ついでにHDDの状態を見ておきます。

代替処理待ち5にホッとひと安心。あんなに長期間動かし続けたのにこれはラッキーでした。不良セクタが増えまくっててもおかしくなかった。

それにしても不良セクタ5に10日も足止めを食らってたのか!?と思うと、なんともやりきれい気はします。まあやはりこれは相性ですね。数千の不良セクタがあっても簡単に乗り越えてくれることもあるし。ケースバイケースってことで。

ソフトウェアクローンにはAOMEIやらAcronis、新しいところでMacriumなどがありますが、データ復旧の場合はLinuxのddrescue一択です。ddrescueの起動方法はUbuntuやその他ツール満載ブートディスクがあるとして、そこはもう種類ありすぎるんで割愛させてもらいます。

そしてddrescueにてケツからのクローンを実施。コマンドは写真を見れば一目瞭然ってことで。

このコマンドの肝はRオプション。まあ何も考えずこのまま同じことをやってみればいいと思います。ただデバイス名のとこだけは変えてくださいよ。devのとこ。じゃないとえらいことになっちゃう可能性が無きにしも非ずです。

うまーくいってくれるとフィニッシュ。

あっさり先頭の大穴をスキップしてくれましたけども、それでもまだ私の中では高性能デュプリケーターのほうが上です。このあたりは経験上としか言いようがないっすね。

クローン後はもちろんHDDの状態は悪化しています。それなりの負荷が掛かってるんです。手術でお腹開いたあと縫って元に戻した、みたいな。人間でいうと。そんなイメージ。

データ確認

故障状態のHDDから正常なHDDに、中身だけをほぼ丸々複製した。という考え方です。その出来上がったHDD自体は健康そのものなんだから、適当なパソコンにつなぐと中が見られるようになってるよね?ってことで。

バッチリっすね。大抵の場合は、クローンさえキレイに仕上がるとその後のファイル復元だのパーティション修復だのの作業は省けることが多いです。オリジナルの状態が悪すぎるときはどうしようもありませんが。

おしまいに

今回の記事の趣旨は、デュプリケーターでのハードウェアクローンでは一向に進まないことがありえる、ということ。そして、その場合はソフトウェアクローンツールであるddrescueによるリバースコピーが結構な確率で有効だよってことです。ここをしっかり頭の片隅に置いておいてください。

あとは調子の悪いHDDを調達してはひたすら試すのみですね。一発目を高性能デュプリケーターでいくかddrescueでいくか、経験値が溜まっていくと見えてくるものがあると思います。がんばってください。