テレビで使っていた外付けハードディスクの電源が入らなくなった、というご相談。こういう時は真っ先に「テレビ録画にお金を掛ける価値はありそうですか?」と尋ねるようにしているんですが、今回はなんとなくスルー。じゃあまたお見積りご連絡しますからそれで決めてください、とお預かりすることに。きっと暇だったからでしょうね。クロスワードみたいなもんです。
状況確認
本当にうんともすんともいわないのか、さっそく電源オン。
シーン・・・。
たしかに無反応です。とりあえずバラしてみますか。大体の見当は付いてることだし。
バッファローのこの古いタイプの外付けは、いまだによく見かけます。10年15年もつって日本人的感覚するとフツーじゃない?と思われるかもしれませんが、修理屋的感覚からするとスゴイの一言。
古いものってなかなか壊れないだな。
で、ダメになるところがケース基板のこのあたり。コンデンサってやつです。左側のやつ、十字の部分がぷくって膨らんでるでしょ?こうなってるとダメみたい。
言い切らないのは、膨らんでても問題なく動いてるやつを見てきているから。どっちなんだ!
直すかどうかの判断
パソコンで使っている場合は直さなくていいでしょう。普段からハンダ慣れされてる方は修理一択でしょうけども、そうじゃない人が圧倒的なので、基本はケース交換だと思います。Amazonで交換用ケースが2000円前後で売られています。
じゃあ今回もそれでいいじゃんとなるはずですが、テレビ録画用ってことでそうは問屋が卸さなくて。テレビ録画で使ってる外付けは、そのまま直してしまわないと中のデータを読み込んでくれなくなっちゃうんですよね。なんやかんやの大人の事情で。稀にケース交換でなんとかなる場合もあるっちゃあるんだけど。でも可能性を考えるとケース交換はナシ。
だから今回は外付けハードディスク(以下HDD)自体を修理します。
目標は左端下側の緑のコンデンサー。頭膨らんでるしこいつが怪しい。
裏側の怪しいコンデンサ付近には焦げ付いた?跡が。ますます怪しい。
実はこの手の修理記事、今まで散々目にしていて思ってたことがあるんですよ。というのも、コンデンサの頭が膨らんだくらいで電源が入らなくなることってあるかな?という疑問。マザーボードから電源ユニットまでコンデンサ交換はやってきたけど、頭が膨らんだ程度じゃ動かないってことなかったもんなあ。破裂して液漏れしてようやくってパターンがほとんど。だからなんでこれで?って感じ。つーわけで今回はその実証も兼ねての基板修理です。
まあ最近は液晶交換とSSD化が続いたこともあって。たまには違うこともやりたいわけですよ。
さあ、久しぶりのコンデンサ交換だ。なぜかノリノリ。
なんで1本だけかって?実験に全部はもったいないじゃん。まあ理由はのちほど。
久しぶりの割には仕上がりはフツー。もっと汚くなるかと思ったのに。
これで頭の膨らんだコンデンサはなくなったと。
動作確認
あとはこれで本当に電源が入るようになるのかどうか。
元HDDは使わず念のためクローンでお試し。まあこのへんは元HDDのチェックも兼ねてます。
本体のスイッチをオンにすると、ウィーンとHDDの起動音が。いいですねぇ、この瞬間。病みつきになるなあ(笑)
作業用PCにつないでもちゃんと認識OK。
他の修理記事同様、頭の膨らんだコンデンサ交換で電源が入るようになっちゃった。。。
というわけで、最後にコンデンサは元に戻して終了。お客様曰く、テレビの録画データにそんなに費用は掛けられない!とのこと。ですよねぇー。
でも良い勉強させてもらいました。ありがとうございます。