VAIO SX12 VJS121C11N 数秒から十数秒で電源が落ちる ログイン画面までは行く

in

『電源は入るものの、数秒で自動的にシャットダウンしてしまい困っています。充電はできているので電池系ではないと思います。ネットで調べられる対策(レスキューモードでの立ち上げや裏面のリセットボタン長押しなど)は試したのですが効果はなく、大体はパスワード入力画面に行く前に勝手に落ちるか、入力できても立ち上がって1分くらいでやはり勝手に落ちてしまいます。本体を郵送して見て頂くこと可能ですか?』というご相談。

メールから抜粋させてもらいました。手抜きですいません。お客様であれこれやられてる場合って、ハードル高いんですよねぇ。でもまあ、やるっきゃない。期待しないでね、と先に予防線は張っています。だって見てないんだもん、必ず直せますって言えないんだもん。もんもんもん。

到着時のSX12

ただまあ、これには驚きましたですよハイ。まさかのレターパック。恐る恐る中を確認しましたよね。さらなる衝撃、一切の緩衝材なし。なのに結果はセーフ。ミラクル起きました。画面割れを覚悟したのに奇跡的にセーフ。パソコンって書いてあったら丁寧に扱ってくれるんでしょうか?

まあコメディタッチに書きましたけども、遠方修理の場合は是非宅配便をお使いください。きっと丁寧に扱ってもらえますし、それなりの梱包チェックも入りますし、なにより配送中にトラブルが起きたとしたらしっかりとした保証も受けられますしね。安全第一です。

SX12のACアダプタ情報

純正ACアダプタの型番はADP-50ZHAもしくはVJ8AC10V9。10.5Vの3.8Aで40Wですね。45WはUSB出力を含んだ数値だと思います。ソニーさんは19.5Vじゃなかたっけ。あ、もうソニーさんじゃないからか。

さあバラしていきますか。この機種は裏面のネジを外すだけで一気にここまで行けちゃうんですよ。たしか。分解のポイントは特になし。イージーです。

SX12の分解風景1

ご相談の段階で、熱で落ちていたのは分かる。で、それはCPUファンが回ってないからなのか、というと見た感じファンではなさそう。理由はファンから微かに高い音がするから。あの健康診断のときのヘッドフォンから流れてくるやつです。

そのあたりのワードで検索すると、CPUファン付近のチップヒューズの話題がたくさんヒットするわけです。あっ、これですか。試しにテスターで当てると、なるほどね、数値がおかしい。ブザーの鳴り方も一定ではなく、ピーヒャラピーヒャラといった具合でふにゃっとしてる。ちなみに写真は両手がふさがっていたために取ることも出来ず。でも他の修理屋さんはバッチリ写真撮ってましたね。すごいよマサルさん。

SX12に対応したチップヒューズ

ただ他の修理記事では一様にチップヒューズの詳細を残していないですからね、差別化ってことで私は記載します。なんのための記事なんだって話なんでね。ネットって知識の共有化のためにあるわけでしょ?

1608サイズの1Aの角型チップヒューズです。秋月さんに商品ページがありますね。ただ、Amazonさんなんかで売られている0603サイズのチップ抵抗セットでも良いような気がします。あの大量のやつ。でもそんなにイランやろって気もしますが・・・。

SX12の分解風景2

写真真ん中あたり、大きな黒いネジの下あたりのチップヒューズを交換しました。見た目は悪いけど、これで勘弁して。これでも拡大鏡使いながら作業したのです。歳くったな。。。

あれだけ見事に電源が落ちまくっていたパソコンが、チップヒューズの交換後は息を吹き返しまして、余裕の安定動作。

SX12の温度状態

だけどCPU温度はいまいち。CPUファンは快調に回ってるんですけどねぇ。Windowsの更新やら、SFCやらいろいろ回し過ぎなのはあるんですが、さすがに90℃台はテンションが下がりますな。

一応グリスを塗りなおしてはみましたけども、そこまで大きく数値は下がらず。この最大温度で返却するのはちょいと引っ掛かりましたが、ネットにはVAIO SXシリーズの情報がぼちぼちコロがってますしね、最低60℃から90℃の幅で、ギリギリ落ちることもないし、このまま使っていただくしかないかな、というところで。

作業完了後のSX12

ご利用ありがとうございました。