2年以上前にご依頼いただいたお客様より。パソコンが起動しなくなった、DISKがダメみたい、修理可能でしょうか?とご連絡いただきました。
ちなみに2年前のご依頼は、電源がいつの間にか落ちているときがある!というもの。当時は何もせずにご返却しました。当店の見立てではどこも悪くない、という診断です。送っていただいたパソコン以外のところ、例えば電源タップや電源コードに何か問題があるのかもしれません、と申し添えてお返ししたら、ちゃんと今日まで2年以上問題なく使えていたそうです。やっぱりおれって天才だわ(笑)
さて、しかし、今回はハードディスク故障が濃厚なRAIDパソコンです。多少ビビりながら作業に取り掛かりましょう。一歩間違えば取り返しのつかない土下座地獄が待ってます。
症状確認
電源を入れるとメーカーロゴのあとにRAID画面がチラっと映って
表示されてるのは5秒くらいありますから、余裕で写真をパシャっといただいときます。でも、上で使った画像はお客様が「こんな症状なんだけど」とメールに添付してくれた画像だったりします。手間は極力省エネで。
その直後、WindowsXPが起動するはずが
Reboot and Select proper Boot device or Insert Boot Media in selected Boot device and press a key
起動なんてさせねぇーよ!と怒られます。
お客様が言ってたディスク不良で確定でしょうねこりゃ。
ディスク交換とRAID再構築、序盤
手術台にパソコンを寝かせて、ハードディスクの交換から。
おっとその前に。たしか、ダメになってるハードディスクをRAIDメンバーから外したような気がするんだけど・・・しなくてもいいんかな?そのへん記憶がもう曖昧で。そのための外部記憶としてこの作業ブログを書いてるっつーのに、記事にするのが1か月半後とかもうそれ記憶の記録としての意味がないだろ?というお叱りはごもっとも。まあいいじゃん!こうしてやっとこさ記事を仕上げるつもりになったんだからさー。
とりあえず作業前にディスクのクローンさえ取っておけばなんとかなるっしょ。RAID1なんだから。いや、今回に限っていえばなんとかならないか。。。お客様の要望はソフトも環境もそのまんま!が大前提だから。そのためのRAID1なんだろうし。
というわけで、この記事に辿り着いた誰もが知りたいRAIDメンバーを解除してハードディスクを交換したのかどうかはうやむやにしつつ・・・(笑)
画面に表示されているほうの壊れたディスクを、貴重な非AFTの1TBハードディスクと交換。
上の画像を見る限りは、Intel Matrix Storage Manager option ROMでRAIDメンバーを一旦解除してるのかな?StatusがFailedになってる。このあとRecovery Volumeのメッセージが出てきて、迷いながらもYを南無さん!と押したような気がしないでもない。
再起動後、RAID画面ではStatusがRebuildになっていることを確認し勝手に画面が切り替わると・・・
イエス!XP!!
ウエルカム!!
そのままラピッドさんの管理画面を眺めていると、うんうん、ちゃんと再構築中になっとる。成功じゃい!と意気軒高な坊主。
ディスク交換とRAID再構築、中盤
あとは10回くらい再起動して動かしっぱなしにして最終チェックやーと思ってた矢先に意味不明トラブル発生。。。
RAIDステータスでなぜか1台が外れてしまう。ジーザス!どないなっとんねん!!
とりあえず1台でも動いているこの状態を活かしてCrystalDiskInfoさんを使ってみる。
そしたらなんと2台目も壊れかけになってますやん。。。
このときふと思い出したのが、他社のデータ復旧専門業者の話。RAIDディスクは同時に複数台故障している可能性があるので、どうしても復旧費用は高額となりますと見かけた私は「嘘やろそんなん!値段吊り上げるためにテキトーな理由つけんなや!!」と激怒プンプン丸になってた過去があるのですが、まさか今この状態がその他社さんが言ってた状況だとは。。。あのときはごめんね(笑)
2台目もAFTの1TBにすぐにでも換えたいところですが、なんせ大容量な非AFTは貴重品なんですよね。当店にはストックが1台しかないため、とりあえずはディスク修復でしのぐことに。
どうしても気になったので、故障ディスク2台ともディスク修復にかけてみると、たしかに同じようなところに不良セクタが発生してる・・・。データ復旧専門、しかもRAID専門の業者さんはやっぱり蓄積してる経験値が半端ないのね。。。
ディスク交換とRAID再構築、終盤
ここまで約1週間。何回もリビルドを繰り返したのがまずかったなあ絶対。しかも1TB。ほんと面倒くさいったらありゃしない。
さあ、ここから佳境です。私の記憶も超曖昧。どこまで見てる人の参考になることが書けるやら。
えーっと、これはたしかディスク修復がうまくいったんで、ディスク構成を元に戻したんですよ。新品の非AFTハードディスクを発注してる間に。ついでにRAIDで2台使うのもやめましょうってご提案して。RAID1のくせに1台コケたくらいでシステムが動かなくなるんだったら、それRAIDの意味ないじゃんって話で。予備で同じソフトが動いてるパソコンがもう1台あるっていうし、だったらディスク1台体制にして、業務ソフトで使ってるデータだけは定期的にバックアップしてもらって、XPがたちあがらなくなったときだけまた当店で修理するって流れにしましょう、と。
そのためにはRAIDやめてハードディスク1台にするからBIOSもいじってーと考えるでしょ?
できる男パソコン坊主も最初はそう思ったんすけどね、実はRAIDディスクって1回やっちゃうと元には戻れないわけで、そのへんはゾンビと同じシステムなんです。
だからBIOSはRAID設定のまま
ディスクだけを抜いてやると、シンプルなハードディスク1台体制に。上の画像は新品ハードディスクのものじゃないから、あくまでイメージ画像として。
以上、やったことをまとめると、故障ハードディスクを2台とも抜いて新ハードディスク1台体制にしました。大事な大事なハードディスクを交換していますけど、中身はまったくそのまんまで、ハードディスクもXPのために非AFT、いわゆる旧規格ですよ、と。もう満点の仕上がりでしょ?
ご利用ありがとうございました。