タイトルでお手上げ宣言するのもどうかと思ったので、なんとか辛うじて曖昧にボカしておきました。。。(笑)
今回の記事は、当店でたまにある修理できませんでした系のやつです。毎度毎度ちゃんと直せる!に越したことはありませんが、やっぱり中にはあるんですよね、直せないことって。それも包み隠さず記事にしておけば、いつかどこかでどなたかの参考になるんじゃないかということです。
さて、まずはお客様と店頭でトーク。
お預かりしたのはLet’s noteのCF-S9です。
熱暴走確認
トークの内容から熱暴走なんだろうと分かるので、実際に確認します。
本体サイドに排熱口に手をやると
熱風が勢いよく出てくる。この時点でなにも詰まってないなと。
今にも電源が落ちそうな状態からソッコー温度測定ソフトを入れて実行してみると
100℃目指してグングン上昇中。このあと数秒後に電源が落ちました。
この状況確認で分かったのは、CPUファンは正常に回っていて、排熱口もホコリやゴミで塞がれているわけではないということ。つまりはパっとみどこも悪くない。どこも悪くない・・・。修理屋にとっては悪魔の言葉ですな。。。
レッツノート分解
本当にどこも悪くないのか、ここからが正念場です。レッツノートの内部に潜入していきます。
レッツノートは分解の途中にチェックポイントがそれぞれあるので、そのへんの罠にハマらないよう、分解は慎重に進めることが肝要です。
キーボードはバッテリー裏のこの留め金具と
強力両面テープのみ。ねっとりじっくり進めていけば
ようやく全体像がお目見え。
ここからさらにマザーボードを取り外し
CPUファン放熱板まで取り外せば、熱源まで到着します。
ここのグリスが予想通りカピカピになっているところまではいいんです。
だからグリスを塗り直してやるでしょ?放熱板をチップに密着するよう、放熱板とチップの間隔を調整してやるでしょ?
それなのに、組み上げても一向に温度は下がらないんですよねぇ。。ほんと世界の七不思議のひとつですよ。レッツノート熱暴走の怪。
仕方ないから、CPUファンの型番から同様のファン部材を調達。
改善するはずないって分かってんだけど、可能性は全部潰しておかないと気が収まりませんからね、CPUファンを放熱板ごと交換しちゃいます。
その結果は・・・!?
レッツノートの電源が落ちるようになったら
もちろん冒頭の修理できませんでした宣言どおり、ファン交換でもダメ。。。
これと同じことが実はこれまで何度もあって、当店ではレッツノートの熱暴走は温度の下がらない個体があると考えています。要は直るものと直らないものがあるってことですね。
あと再発が多いのも特徴で。
レッツノートの熱暴走修理、ネットではたくさん検索にひっかかりますよね。大体は80℃台まで下がってご返却というのが多いです。当店も過去80℃前後まで下げて、一応完了ということでご返却していましたが・・・その後2年ほど経って再度熱暴走でお持ちになられました。レッツノートの熱暴走はおそらくどうしようもない持病みたいなもんだと思います。