「disk boot failure, insert system disk and press enter」と表示されてWindowsが起動しない
というご依頼をいただきました。
「あ~、それならおそらく直りますよ」と二つ返事でお受けすることに。
店舗までお持ちいただいたので、さっそく状態の確認。
機種はVALUESTAR L VL570/AD。2004年のメーカーPCですが、途中で性能アップされているようで、修理してまだ使いたいというのも頷けます。
電源を入れてみると
おや?普通どおりログイン画面まで表示されてしまうぞ!?
disk boot failureエラーは通常ですとブート情報が壊れているため、勝手に直るようなミラクルなことは起こらないはずなんですが・・・。何回再起動しても通常通り起動。
う~ん。。。どうしたものか。ちょうどお客様がまだ近くにおられたので、ここは一旦持ち帰って様子をみていただくことに。ハードディスクも問題なさそうなので、この状態では何もすることが出来ないですからね。
すると数日後・・・
またdisk boot failureエラーが出たとご連絡あり。
これはいよいよ謎修理になりそうな予感だなぁと思いながら、数日お預かりでじっくり診断させてくださいとお客様にお願いします。そして初回時にそのまま問題なしでお返ししたことへのお詫び。
立ち会ったときに限って症状が出ないような修理はほんと難しいですね。。。
さて、気をとりなおして!
じっくり時間を掛けてやらせてもらえるので、腰をすえて問題箇所の切り分けをしていきます。
まずはdisk boot failureエラーの基本的な対処方法。ブート情報の修復!
修復コマンドは正常に終了し、いざ電源を入れると・・・
ログイン画面きたー!!
よしよし。デスクトップやCドライブをみて問題ないことを確認。それとこういうエラーが出る場合は稀にハードディスクがヤバイときがあるので、HDDの健康状態もチェック。問題なし。
なんで起動したりしなかったりになったんだろうなー?と考えながら何度も再起動をしていると
disk boot failure, insert system disk and press enter
まさかの展開に頭ん中、???。
通常起動、通常終了でブート情報が壊れてるって、あんの!?
まさかと思いBIOSでハード情報を確認すると、なんとIDE HDDがNone。。。おいBIOS、犯人はお前さんか!
さらにこの状態で何度も再起動を続けると、BIOSがHDDを認識したりしなかったりという症状を繰り返すことが判明。ここまでくれば、あとはマザーボードとご対面するのみ。
やっとの思いでVL570/ADを分解すると
ありました、コンデンサ異常。
コンデンサの頭がぷっくりと膨らんで茶色い液が固まっています。
これを半田ゴテでえい!と新品コンデンサと交換してやります。
これでマザーボード不良は改善されたはず。
あとは組み直して最後の電源ON。文字通り、これを最後にしてもらいたい。。。
もちろん正常起動!
よっしゃー!どんなもんや!!
というわけで威勢よく再起動を繰り返します。問題なし! あとはお客様にご連絡して取りに来てもらうだけですね。その日は気持ちよく寝られました。
翌日。
お客様にご連絡入れる前に一応起動させておこうかとVL570/ADのスイッチを入れると・・・
disk boot failure, insert system disk and press enter
これはなにかの呪いだ・・・
まじ呪われてる・・・
とは言いませんが、ほんと心臓に悪い。これはどうしたもんかと頭を悩ませましたが、もうこれ以上お客様をお待たせするわけにはいかないということで、まずご連絡。状況をご説明し、当店での修理はできない旨をお伝えすると、じゃあデータだけでも取り出してほしいとのご要望。
結構な時間お待ちいただいた上に修理不可にも関わらず、まだ見捨てずにご依頼いただけるなんて、本当にお客様には感謝です。
私も気持ちを切り替えすぐに部品を手配。VL570/ADの内蔵HDDは無問題ですので、そのまま外付けHDDとして流用。後日お届けに上がり、作業完了となりました。
ご利用誠にありがとうございました。
disk boot failure insert system disk and press enterでお悩みの方は、マザーボード不良の可能性もあるんだなということを頭の隅にでも置いといていただけたら幸いです。